シゲルさんが情報収集に活用しているのは、「日本経済新聞」や『会社四季報』。「それで十分戦える」という
19歳で始めた株式投資を70年近く続け、試行錯誤しながら総資産20億円を築き上げた“日本のバフェット”の異名を取る88歳の現役トレーダー・藤本茂さん(シゲルさん)。ブラックマンデーやバブル崩壊、リーマン・ショックなど数々の危機の経験したシゲルさんが、難局を乗り切るために重要な情報収集のノウハウについて明かす。
毎朝、日経新聞を隅々まで読む
すでに投資を始めていてそれなりの経験があれば、自分の身の回りだけでなく、視野を広げた銘柄選びも検討できるだろう。
情報収集に使うツールは、機関投資家などプロが使うものである必要はないが、ある程度の“自己投資”は必要だ。実際にシゲルさんが活用しているのは、「日本経済新聞」や『会社四季報』。「それで十分戦える」という。
シゲルさんは毎朝、日経新聞を隅々まで読み、週刊の投資金融情報紙『日経ヴェリタス』(3月から電子版のみ)にも目を通す。気になる記事があれば自ら切り抜き、「シゲルさんノート」に貼っておくこともある。
「ネットのほうが情報は早いけど、新聞を広げてまんべんなく見ると、自分が気づかなかったニュースにも目がいく。『経済面』は特に丁寧に見ていて、ふと目にした経営者のインタビュー記事などを読んで、その企業を調べるきっかけにもなります。
たとえば、私が頻繁に売買しているホンダ系の車体プレスメーカーであるジーテクトは、菊池プレス工業と高尾金属工業の合併(2011年)で誕生した会社。私は前身の菊池プレス時代の経営者に目をつけ、この企業なら将来性があると思って投資し続けています」(以下、「」内コメントはシゲルさん)