創業家出身の会長と外部から招聘したプロ経営者が対立したLIXIL、親子の感情的な対立が続く大塚家具、経営危機に見舞われながら創業家の排除がなかなか進まないスルガ銀行……など創業家をめぐるトラブルが、企業価値そのものを揺るがす事態が相次いでいる。
そのほかにも、近年「創業家トラブル」が問題となった有名企業は少なくない。以下、代表的なものを紹介しよう。
【出光興産】
2015年に昭和シェル石油と合併で基本合意したが、筆頭株主である創業家の出光昭介名誉会長が反対。和解し、2019年4月に経営統合した。
【大戸屋】
2015年に実質創業者の三森久実前会長が急逝後、長男が降格するなどの処遇に創業家が反発。前会長に功労金2億円を払うことで収束した。
【オリオンビール】
16%の株式を持つ創業家が経営陣と対立。今年、米投資ファンド・カーライルと野村HD子会社による買収を牽引し、成立させた。
【デサント】
創業家の石本雅敏社長と筆頭株主の伊藤忠商事が経営方針をめぐり対立。伊藤忠は今年、敵対的買収を実施し成立。石本氏は6月20日の株主総会で退任予定。
【ぺんてる】
2012年に社長を解任された創業家の堀江圭馬氏が投資ファンドに株売却。今年、コクヨがその株式を間接保有することで事実上の筆頭株主に。
【レオパレス21】
2018年にアパートの施工不良問題が発覚。調査委は「創業者(深山祐助前社長)に落ち度」と報告。甥の英世社長は5月30日に退任した。
【ロッテ】
2015年に創業者、重光武雄氏の長男と次男が対立し、武雄氏と長男が会社を追われた。その後、次男は韓国で朴槿恵前大統領にまつわる贈賄罪で逮捕された。
※週刊ポスト2019年6月14日号