投資家の多くが注目する米雇用統計発表で、見るべきポイントはなにか。FX(外国為替証拠金取引)などのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、米雇用統計の注目ポイントと目先のドル円相場の見通しについて、あわせて解説する。
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トランプ大統領が8月1日に対中貿易に第4弾の追加関税を行うと公表したことで、米中貿易戦争が再燃。中国人民元は対ドルで史上最安値を更新しました。大阪のG20サミットでトランプ大統領は対中貿易に関して、追加関税は当面休止すると公表していましたが、手のひらを返した格好となりました。
8月1日のトランプ大統領の発表を受けて株式市場は急落、為替もドル円を始めとして、クロス円も大きく円高へ振れています。
個人的にはドル円は上方向(円安)で見ているため、このような落ち込みは歓迎です。下押しすることで、良い買い場を形成してくれると考えているため、あとはチャートからエントリーポイントを探すだけです。
米国雇用統計の発表イベントで着目すべき点
8月2日に発表された米国雇用統計の数値は良好で、何の問題もないと言えます。
ところで、トレーダーは米雇用統計のどこに着目すべきかご存知でしょうか。簡単に雇用統計の見方についてご紹介します。
まず注意する点として、プロの機関投資家は非農業部門雇用者数を「単月」ではなく「3か月平均」でチェックしている点です。イエレンFRB(米連邦準備制度)前議長も、同じ観点で指標をチェックしていました。目先の景気指標としてではなく、大きな経済トレンドの方向性を見極めるためです。