今や若者だけでなく幅広いユーザーを獲得しているフリマアプリ「メルカリ」。スマホから誰でも簡単に売り買いができることが魅力で、近年はシニア世代の利用も拡大している。そんなメルカリのなかでもとくに人気が高いのが、コスメのカテゴリーだ。
実際に検索をかけると、そこには“使用済みコスメ”が多数、格安で売買されている。なかには4色入りのアイシャドウのうち3色が無くなっているものや、9割以上使われたシャネルの口紅などさまざまだ。
お世辞にもキレイ、衛生的とは思えないコスメを購入する女性の心理はどういうものなのか? 実際に購入経験があるという女子大生・Aさんはこう語る。
「デパコス(※デパートで販売されているブランドの化粧品)を使いたいけど、実際に百貨店で買うと高いですよね。それなら中古でも安い方が嬉しいと考えるのが若者の心理じゃないですか? 私の場合はデパートのコスメカウンターにいる店員さんと絡むのがダルいというのも理由です。
とくに高級ブランドの店員さんは、若者が買いに行くと『ガキがうちの店に用かしら?』『がんばってお小遣い貯めて来たのね』って、小馬鹿にされているような気がするんですよね……。それなら誰とも絡まずに購入できる方が楽なんです」(Aさん)
別の女子大生Bさんは、使用済みコスメの購入だけでなく、出品もしているという。
「私がボロボロの“汚コスメ”を購入する理由は、好きなインスタグラマーさんが使っていた商品を試してみたいから、というパターンが多いですね。いきなり定価で買うのは気がひけるので、一度中古で試して、良かったら現品を買う。ダメならそれをすぐにメルカリで出品して手放します。
出品者としての経験では、デパコスだけでなくプチプラ(※低価格のコスメ)の方が売れる印象があります。発送手続きをすると、購入者の住所がかなり地方の場合もあります。東京ならすぐに買えるアイテムも、地方ではすぐに手に入らないものだと実感しますね」(Bさん)
若い女性を中心に、使用済みコスメを売買するのには、それなりの事情があるようだ。