働き盛りの夫が突然うつ病に──どの家庭にも起こりうることだが、その時、家族はどう対処したらよいだろうか。パート主婦B子さん(47才)の場合は2年前、生命保険会社に勤務する夫(当時48才)が発症した。子供は当時18才と11才。夫はその後、フリーランスとして仕事をするようになるも、月収は120万円から20万円に。発症時の貯金額は100万円だった。そんなB子さんが、当時を振り返る。
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幼い頃から野球をやっていた夫は、上下関係やルールの順守を何よりも大切にする人でした。結婚当初はそこを「男らしい」と思ったものですが、20年も一緒に暮らしていると、私たち家族にいばり散らす、ただのモラハラ夫としか感じなくなりました。
そんなある時、夫が勤務する保険会社の役員が交代。今までと勝手が違う考え方の下、仕事をさせられることに。それまで正しいと思っていたことを否定されるのが、相当ストレスだったんでしょうね。眠れない、食事もできないという状態が続き、どんどんやせていきました。
そんなある日、職場で倒れ、会社から呼び出されました。迎えに行くと、抜け殻のようになった夫が、医務室のベッドで寝ていました。人事部のかたと相談し、しばらく休職することに。
貯金が100万円しかないのがわかったのもこの時でした。「家計は任せておけ」と言った結果がこれです。子供の学費がかかる時だったので、パートでは限界を感じ、友達が立ち上げたネットショップの手伝いに、本腰を入れて取り組むことにしました。
結局夫は、1年間休職して復職したのですが、以前のポストはなかったため、それが不満で会社を辞めました。今は、時間の融通が利く、フリーランスの保険コンサルタントの仕事をしています。
闘病後大きく変わったのは、夫の性格。今まではDVもありましたが、それがなくなったうえ、「ありがとう」と頻繁にお礼を言うように。まさに別人です。人は挫折を知るとやさしくなるというのは本当ですね。
※女性セブン2019年11月28日号