企業概要
豆蔵ホールディングス(3756)は、「デジタル社会の変革(DX)において多大なる影響を与える技術者集団」を標榜し、企業の情報戦略策定からシステム開発まで一貫したサービスを提供するIT企業です。
売上の9割は、情報化戦略の策定支援や情報化業務の改革支援、システムの受託開発をはじめ、技術者の教育研修や産業用ロボットの開発支援も行う「情報サービス事業」によるもので、これに加えて「産業機械事業」において半導体製造工場での保守やFA支援などを行っています。
足もとの業績は好調。企業の基幹システムのDX化に必要なアーキテクチャ設計支援や強みを持つアジャイル開発を含めたコンサル業務の拡大や車載関連など、総じて好調な印象です。
中長期的にも、モデルベース開発、アジャイル、Open Source Softwareといった得意技術をベースに、スマートファクトリーソリューションやロボット技術、RPA・AI技術や大規模3D可視化ソリューション、仮想データ統合ソリューションなど各種技術を掛け合わせた事業展開による成長が期待されます。
IoT時代においては、製造業市場に向けたエンジニアリング・ソリューションが必要とされることから、今後は、金融や流通市場向けビジネス・ソリューションの安定推移に、エンジニアリング・ソリューションの成長が加わっていくことが期待できると思います。
現在のところ、一般業務向けのビジネス・ソリューション部門が売上の65%を有する事業構成となっていますが、エンジニアリング・ソリューション部門の売上拡大が同社のトップラインを引き上げていくと思います。
注目ポイント
財務状況は、自己資本比率が59.5%、有利子負債は約22億円ありますが、約60億円の現金等でカバーしており実質無借金の状態です。
堅調な株価推移の中、11月11日に同社株は急落しました。これは材料出尽くし感や、また第1四半期までの好調な業績動向から上方修正期待が高かった分失望の売りが出た可能性もあるかと思いますが、好調な業績動向や見通しの明るさに変わりはなく、下がったところは買い場かと思います。
今後、業務効率化、生産性向上、セキュリティ向上に向けた企業のDX推進の動きは一層活発化していくことが見込まれ、同社コンサル業務・製品の追い風となるでしょう。
【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。