履歴書の空白期間を気にして、海外留学や離職後の転職などにイマイチ踏み切れないという人たちがいる。実際、履歴書や職務経歴書に「ブランク」があることで、就職・転職活動に苦労したという人は少なくない。
20代の男性会社員・Aさんは大学を1浪1留で卒業後、就職せずに2年ほど海外放浪した。最近では、大学卒業後3年間は「新卒扱い」とする企業も増えているので、帰国後にあらためて就職活動をしたところ、厳しい現実に直面したという。
「若いうちにいろいろな世界を見たくて放浪していたのですが、社会人になっても働かずにフラフラしていた人間に、採用側は厳しいです。新卒枠でエントリーできても、とくに大手の場合は面接の場でのハードルが高い」
「ハードルが高い」とはどういうことか。Aさんが続ける。
「『なぜ新卒のときに就職しなかったのか』『大学を卒業するときは何をしていたのか』など、過去の話が多くて、今の僕を見てくれない担当者が多かったです。“遠回りの人生”で不器用に生きてきた人間は認めない、みたいな無言の圧力を感じました。20社くらい落ちましたが、拾ってくれた今の会社には本当に感謝しています」
30代の男性会社員・Bさんは、何度か転職経験があるが、今は「ブランクが怖くて、ブラックに近い労働環境でも次の企業を決めるまでは辞めにくい」とため息を漏らす。
「金銭的な不安もありますが、いったん離職した後、あらためて転職活動するのは確かに不利だと思います。半年以上みたいな、ちょっとでも長いブランクがあると、面接でいろいろ言われて、ときには説教されることもありました。『この期間に何か学びは得たの?』『バイトや契約社員は経歴にならないと思うけど』と言われたことも。なんで批判めいたことを言われなくちゃいけないのか、当時はパニックになりました。それ以来“ブランク恐怖症”です」