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コロナ危機でも株価揺り戻しの謎 バブル崩壊で二番底の恐怖

株価の先行きはどうなるのか?(イメージ)

株価の先行きはどうなるのか?(イメージ)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、インバウンドの急速な減少に加えて、活動自粛要請で国内消費も大きく落ち込むなど、日本経済は大きなダメージを受けているが、株価を見ると一時期の落ち込みから回復しつつあるように見える。はたして今後の日本経済、ならびに日本株はどのような展開が予想されるのか、経済アナリストの森永卓郎氏が読み解く。

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 コロナ・ショックにより、日本経済は最悪の状態になっている。 内閣府が発表した3月の景気動向指数は、景気の現状を示す一致指数が前月比4.9ポイント下落の90.5となり、東日本大震災発生時の6.3ポイント下落以来、9年ぶりの下落幅を記録した。また、景気動向指数の基調判断は、8か月連続で「悪化」となった。8か月連続のは、リーマン・ショック前後の2008年6月からの11か月連続に迫る長さとなっている。

 そもそも2019年10月に断行された消費税率引き上げによって、2019年10~12月期の日本の実質GDP成長率は前期比年率マイナス7.1%と大きく下落している。

 さらに、2020年1~3月期は大和総研の予測では年率マイナス5.8%、4~6月期は産経新聞が5月3日に発表したエコノミスト28人予測の平均で年率マイナス21.8%となり、3四半期連続でマイナスとなる見通しだ。

 これらの予測を前提にすると、現在の日本のGDPは1年前より9%も減っていることになる。かつて日本のGDPが最も減少したのはリーマン・ショックの翌年、2009年のマイナス5.4%だったので、今の日本経済はまさに空前の危機に立たされていることは間違いない。

 ところが、株価には不可解な揺り戻し現象が起きているのだ。日経平均株価は2020年1月17日につけた2万4116円の高値から3月19日には1万6358円へと32%下落した。しかし、そこから反転上昇に向かい、5月上旬時点で3月19日の底値から約25%値を戻している。そして、こうした動きは日本だけでなく、米国でも顕著に見られるのだ。

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