今回のコロナ禍で、医療のシステムも大きく変化した。代表的なものが、5月13日から、初診時からのオンライン診療が可能になったことだろう。
テレビ電話形式で医師の診察を受け、医師が処方箋を薬局へ送信。患者は近所の薬局に取りに行くか、自宅に直接処方された薬を郵送してもらえるというものだ。土日祝日で近所の病院にかかれない場合や、遠方の名医を受診したい場合などに便利だ。慢性疾患の診察であれば仕事を休んで足を運ぶ必要もなくなる。
不必要な医療が減るのはいいことだが、一方で、受診を控える人が増えることで、定期的に対面で経過を追うべき慢性疾患の診療がおろそかになりかねないという指摘もある。必要充分な医療を受けられるよう、医師と患者の信頼関係を深めることがこれまで以上に重要になるといえるだろう。
不測の事態に備え、今後は「コロナ保険」が当たり前になるかもしれない。国内では、just In Caseが5月1日に発売開始したばかりの「コロナ助け合い保険」がさきがけだ。月々510~960円(性別、年齢に応じる)の掛け金で、コロナでの入院・自宅待機1泊目から10万円が支給されるというもの。同社代表の畑加寿也さんが説明する。
「入院したらすぐに保険金が支払われるようになっており、加入者から集めた保険金は、保険料と運営に必要な経費以外はすべて医療機関に寄付するようになっています」
もちろん加入手続きはネットで完結。感染リスクにさらされることもない。新型コロナウイルスに特化した保険商品はタイやインド、中国などでも発売されている。今後、多くの保険会社がさまざまな「コロナ保険」を売り出すだろう。
※女性セブン2020年6月11日号