コロナ禍でダメージを受けている家庭は多い。主婦の中にも新たな収入を得るべく就職しようと考えている人もいるかもしれない。長く専業主婦を続け、社会で働くことから遠ざかっていても、就職活動に大きな支障はない。それよりも大変なのは、長く働き続けることだという。主婦出身ワーカーの先輩に、そのコツを聞いた。
スキルアップの勉強は何才だろうと続けよう
西康子さん(72才)は、大学卒業後、貿易会社で7年間事務職に就き、29才で結婚。20年余り主婦業に専念した後、50才で再就職、60才で定年退職したが、再就職を経て、現在は在宅ワーカーになっている。
専業主婦時代はパソコンスキルがなかったという西さん。しかし、20年以上のブランクを経て50才で事務職に就いた。
「再就職をしようと決めてから、若い人に交じって講習会に参加し、パソコン技術を習得したんです。再就職できたのは、そのおかげですね」
60才で再び就いた仕事では、介護保険の仕組みを勉強したという。そして72才のいまは、これまでとまったく違う仕事である「テープ起こし」を在宅で行う。常に、いちから勉強する姿勢があるからこそ、どんな仕事だろうと躊躇せずに挑めるようだ。
「だいたい月に4件程度受注しています。コロナ禍で一時仕事が減りましたが、徐々に戻りつつあります」
2時間分の録音データを文章にするには、1日8時間の作業で1週間ほどかかり、報酬は1万4000円程度だ。
「仕事をしていると、普段できない体験ができて楽しい。仕事が生きる活力になっています」と言う西さん。最近では、テープ起こしした文章を要約して整える議事録作成の仕事にも挑戦中とのこと。何才だろうと仕事に就け、さらに続けられる秘訣は、努力を惜しまない姿勢にあるようだ。