投資情報会社・フィスコが、株式市場の6月8日~6月12日の動きを振り返りつつ、6月15日~6月19日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は3カ月強以来となる23000円台乗せ後に波乱の展開となり、4週ぶりに下落した。
雇用者数が予想に反して大幅に増えた5月雇用統計を受けて、経済V字回復への期待が高まるなか5日のNYダウは829.16ドル高と5日続伸した。この流れを好感して、週明け8日の日経平均は前週末比314.37円高の23178.37円と高値引けとなるなか6日続伸した。日経平均は2月21日以来となる23000円台回復で寄り付くと伸び悩む場面もあったが、一時1ドル=109円台後半まで振れた円安が支援材料となった。
8日のNYダウは6日続伸し、ナスダック総合指数も過去最高値を更新したものの、9日の日経平均は7営業日ぶりに反落した。米長期金利の低下とともに為替相場が円高方向に振れたほか、前日に節目の23000円台を回復したことで、利益確定売りが先行した。ただ、アジア市場の堅調推移などから下げ幅も小幅にとどまった。
9日のNYダウが前日比300.14ドル安と7営業日ぶりに反落すると、10日の日経平均も一段安でスタートした。しかし、NYダウ先物の時間外取引での上昇が支援材料となり、前場中ごろからプラス圏へ浮上し小反発で大引けた。10日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、市場の予想通り政策金利が据え置かれ、当面実質ゼロ金利政策も据え置く方針が示された。
NYダウが続落した反面、ハイテク関連株は堅調推移となり、ナスダック指数は4日続伸し、史上初の1万ドル大台を上回って引けた。11日の東京市場は、寄り付き前に発表された、4-6月期大企業全産業における景況判断指数の悪化が嫌気されたほか、時間外取引で米株価指数先物の下げ、1ドル=106円台の円高などを受けて、朝方から売りが先行した。日経平均は一段安で寄り付いた後、後場に下げ幅を広げ4日ぶりに23000円台を割り込んで大引けだ。なお、5月15日以来となる日銀のETF(上場投資信託)買いが流入した。