梅雨の時期になってもなくてはならない存在になっているマスク。いまマスクをつけるということは、社会的にどのような意味を持っているのだろうか。今回のコロナ禍で小学校の給食当番以来となるマスクを着用したネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、「マスクをつける」という行為について考察した。
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緊急事態制限の解除に加え、東京の場合は「ステップ3」に移行したため、夜の飲食店はかなり活況を呈すようになりました。各店舗は消毒液を入り口に置き、極力グループ同士が隣り合わないような対策を講じています。
しかし、客の側は「席に着いてしまえばもうマスクはいらないよね」といった感じになっており、飲食中はマスクを外し、会計終了後、外に出る時にマスクをするようになりました。
よっぽど外の方が風通しは良いでしょうに、店内ではつけず、店外ではつける。それは、「マスクをつけていると飲み食いできないので店内で外すのは仕方がない」という不文律のようなものがあるからでは。周囲の客も皆外しているものだから、「ここでは着けないでもいいんだよね」という気になってしまう。
一方、外に出ると駅の近くの繁華街であれば80~90%ほどの人がマスクをつけているだけに「マスクをつけなくちゃいけないプレッシャー」もあって、いそいそとマスクをつけることとなります。電車の中のマスク装着率は90%を超えている印象です。今現在の状況を分けてみます。