ライフ

コロナが加速させる「若者の東京離れ」 もはや流行の最先端ではない

東京に憧れを持つ若者は減りつつあるという

東京に憧れを持つ若者は減りつつあるという

 日本で新型コロナウイルスの感染者がもっとも多く、経済的にも大きなダメージを受けているのが東京だ。芸術や演劇などのショービジネス、そして夜の街も含め、これらは東京が“3密”を内包した大都市たり得たからこそ成り立っていた。彼らはいま、コロナ禍で仕事を失い、人生を考え直すことを余儀なくされている。

“東京ドリーム”ともいうべき華やかで高収入な仕事ができなくなれば、夢破れた若者たちは、今後次々と東京を去るだろう。だが、この流れはいまに始まったことではない。世代・トレンド評論家の牛窪恵さんが語る。

「実は、コロナ以前からすでに若者の“東京離れ”の流れはありました。バブル崩壊後は地方に大型の商業施設が増え、都会に出なくてもおしゃれなものが買えるようになった。また、ネットショッピングの普及の影響も大きい」

 若者たちはJR新宿駅から徒歩7分の伊勢丹に行くことすら「遠い」と敬遠する。

「ルミネなどの駅ナカや、車で行ける郊外のショッピングモールに慣れ、その方がラクだと感じるようです。今後は感染リスクから“混んでいるところはイヤ”となることも充分考えられます」(牛窪さん・以下同)

 6月8日、家具量販店のIKEAが日本初の都心型店舗としてオープンさせた「IKEA原宿」は、原宿駅の目の前に位置する。

「実店舗で見たものを後からネット通販で買う『ショールーミング』、ネットで見つけた商品の風合いなどを試すために実店舗に行く『ウェブルーミング』の双方を取り入れた新店舗です。いまはもう、実店舗だけでなく、ネットとの連動も取り入れないと、客を呼びにくいのです。

 近年の流行の最先端は東京の街ではなく、インスタグラムの中の海外セレブやK-POPスター、あるいは“ご当地”から生まれる。“東京で暮らしたい”“東京がかっこいい”という気持ちは希薄と言わざるを得ません。それをコロナ禍が強く後押ししたのです」

 一方、地方で資産を持つ上の世代は事情が違う。

「“東京ブランド”に魅力を感じるのは50、60代以上です。百貨店での買い物や歌舞伎鑑賞などを好み、東京志向が強い人が一定数いる」

※女性セブン2020年7月2日号

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。