「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」。7月にTwitterでの投稿をきっかけに議論を呼んだポテサラ論争だが、「○○なら、こうすべき」という価値観の押し付けは、その対象が「母親」に限ったことではない。これがもう少し広げて「女性」を対象としてみるとどうだろうか。「女性ならこうすべき」という価値観に苦しんできた当事者たちの話を聞いた。
30代の女性会社員・Aさんは、「女性は“仕事以外”のことが求められ、常にそれを強いられている」とこぼす。
「30代になり、必要以上に笑顔をつくって愛想をふりまくことをやめました。そうしたら、私のいない飲み会で、上司が『昔は可愛かったのにねー。生意気になった。女なら笑顔、愛嬌だよな』と話していたらしいんです。このことを同僚から聞いた時はショックでしたね。
他にも、サラダを取り分けたり、お酌しないと『気が利かないな~』とぼそっと嫌味を言われる。あるときは上司から、『女なんだからお酌してきて』と、役員へのお酌を強要されました。厄介なのは、そういう男性がいるから、女であることを利用する女性もいることです。女が全員、“女”を武器にしたいわけではないと言いたいです」
さらに「仕事で成果を出したとしても、私が女であるために余計なことを言われる」と、Aさんの憤りは収まらない。
「事前調査やプレゼン、資料作りなどを頑張って、努力して契約数を上げたのに、『いいよなー、女子はおっさんに気に入られて』みたいな感じで、陰口を叩かれたことがあります。成果を出しても、なぜか『女は楽でいいな』という認識で認めてもらいにくい。反面、結果を出さないと『女は使えない』と言われる。もうどうすればいいのかわかりません(苦笑)」(Aさん)
「女じゃ話にならない。男を出せ」
30代の女性会社員・Bさんも、男性が持つ「女性とはこういうもの」というイメージでレッテルを貼られることにうんざりだと語る。