新型コロナウイルスの影響で、収入が目減りしている家庭も増えている。貯蓄だけでは不安になることもあるかもしれないが、医療、災害、住宅など、困ったときに頼りになる公的補助は少なくない。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんがアドバイスする。
「毎月保険料を納めてきた年金は“もらわないと損”という気持ちが働きますが、公的補助に関しては“受け取るのが申し訳ない”“現役時代は所得が高かったから、助けてもらうのに抵抗がある”と、制度について調べなかったり、申請をためらったりする人もいる。困ったときに助けてもらうために税金を支払っているのだから、ためらわずに活用してほしい」(風呂内さん・以下同)
けがや病気になったときは、医療費控除や高額療養費制度が利用できることはよく知られている。他にも健康保険から支給される傷病手当金は、連続4日以上働けないと、給与のおよそ3分の2が支給される。
コロナ禍の収入対策として、それまで専業主婦だった人が働きに出ようとする場合に役立ちそうなのが「一般教育訓練給付金」だろう。専業主婦が復職するための職業訓練を受ける際の給付金で、厚生労働大臣が指定する一般教育訓練を受講し修了した場合、通勤や宿泊に補助のほか、月10万円までの受講手当を受け取ることができる。
また、自然災害などによって10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村等では国からの支援が受けられる。
「1人世帯で借家の場合、自然災害によって家が全壊などすると75万円、大規模半壊した場合は37.7万円などの支援(被災者生活再建支援制度)があります。しかし、それほど被害が大きくない場合や盗難などは、制度適用外になることも。その場合は、確定申告時に『雑損控除』を申請してください。被害を受けた額をもとに計算し、本来の所得との差額分の税金が控除されます」