新型コロナウイルスの影響で社会全体を不安が覆う状況下、なかには資金に不安を抱える人もいるだろう。そんな不安は申請すればもらえるお金を知っておくことで、払拭できるかもしれない。
特に、配偶者との死別など、いざひとりになってから、けがや病気など予想外の出費があった場合、貯蓄だけでは不安になることもあるかもしれないが、あわてる必要はない。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんがアドバイスする。
「医療、災害、住宅など、困ったときに頼りになる公的補助がたくさんあります。毎月保険料を納めてきた年金は“もらわないと損”という気持ちが働きますが、公的補助に関しては“受け取るのが申し訳ない”“現役時代は所得が高かったから、助けてもらうのに抵抗がある”と、制度について調べなかったり、申請をためらったりする人もいる。困ったときに助けてもらうために税金を支払っているのだから、ためらわずに活用してほしい」(風呂内さん・以下同)
まず知っておきたいのが「高額療養費制度」。病院の窓口で支払う医療費が一定限度を超えた場合、年齢や所得に応じた上限まで、支払った医療費が戻ってくる。
「“医療費の自己負担額をひと月9万円にまで抑えられる”とよく勘違いされていますが、住民税非課税世帯なら月2万~3万円ほどにまで抑えられることもあり、自己負担額の上限は年齢や収入、職場によって大きく変動します」
さらに、確定申告の際に「医療費控除」の手続きをすれば、税金が安くなる。
「これも、“年間10万円を超える医療費を使った場合のみ控除される”と思われがちですが、10万円はあくまで一例。その年の総所得金額が200万円未満で医療費が総所得の5%を超えていれば申請できます」
新型コロナ関連で注目されているのが、健康保険から支給される「傷病手当金」だ。けがや病気で連続4日以上働けないと、給与のおよそ3分の2が給付されるもので、通常、会社の健康保険に加入している人が対象となる。
「職場の健康保険に加入していれば、パートタイムで働いていても受け取れます。パートタイムで勤務時間が短く、国民健康保険に加入している人は通常、傷病手当金がありませんが、新型コロナの場合は例外となり、申請することで受け取れます」