投資情報会社・フィスコが9月28日~10月2日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は、もみ合いか。欧州における新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、世界経済の失速が警戒されており、市場全体のリスクオフムードによるドル選好の地合いが続いている。これまで株式相場をけん引してきた米ハイテク株の調整もあり、欧米株式が下落した場合、安全逃避的なドル買いに振れやすい。
一方、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁のユーロ高けん制発言で、ユーロへの下押し圧力がただちに低下する可能性は低いとみられる。豪準備銀行、NZ準備銀行など主要中銀の一段の緩和的な金融政策への思惑が広がり、安全逃避的なドル買いはおおむね継続するとみられる。
ただ、今週発表される米国の経済指標が景気回復ペースの鈍化を示唆した場合、安全逃避的なドル買いは縮小するとみられる。特に、雇用統計は前回8月の失業率が9%を下回る改善を示したが、9月は大幅な低下は見込めず、高止まりを嫌気したドル売りが想定される。
【米・9月ISM製造業景況指数】(10月1日発表予定)
10月1日発表の米9月ISM製造業景況指数は55.5と、8月の56.0をやや下回る見通し。夏場以降は製造業の持ち直しが示されたが、9月以降に業績回復の勢いが弱まった場合、ドル売り材料になるとみられる。
【米・9月雇用統計】(10月2日発表予定)
10月2日発表の9月雇用統計は、失業率8.2%、非農業部門雇用者数は前月比+90万人、平均時給は前年比+4.8%と予想されている。9月雇用統計が市場予想を下回り、景気回復ペースの鈍化が示された場合、ドル売り要因となろう。