投資情報会社・フィスコが11月9日~11月13日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円はもみ合いか。11月3日に行われた大統領選と議会選は当初、民主党候補のバイデン氏の勝利と上下両院での過半数議席の獲得が見込まれていたが、共和党のトランプ氏が善戦し、いくつかの激戦州で勝利を収めた。その後はバイデン候補のリードが広がり、このまま逃げ切る可能性が高まっている。ただし、郵便投票のトラブルにより開票作業が難航し、法廷闘争にもつれ込む事態も想定される。また、両陣営が票決内容を認めないケースや両候補の支持者どうしによる暴力行為といった治安の悪化も警戒され、安全逃避的なドル買いが再び強まる可能性は残されている。
議会選に関しては、民主党の上下両院支配は困難とみられており、バイデン候補が大統領選で勝利しても議会運営は容易ではないとみられている。そのため、米長期金利は伸び悩んでおり、追加経済対策など政策運営への期待は後退しつつある。
なお、米連邦準備制度理事会(FRB)は4-5日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、緩和的な金融政策を維持する方針を強調しており、米国金利の先安観は消えていない。米国株式市場はこの発表を好感したが、株高を意識してリスク選好的なドル買い・円売りが広がるとは限らない。
【米・10月消費者物価指数(CPI)】(12日発表予定)
12日発表の10月消費者物価指数(CPI)は前年比+1.3%と前月実績の同比+1.4%をやや下回る見込み。消費者物価コア指数は同+1.7%と予想されており、インフレ率は9月実績と同水準となる見込み。ただ、FRBはハト派姿勢堅持の方針で市場予想と一致してもドルの押し上げ要因にはなりにくい。
【米・11月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値】(13日発表予定)
13日発表の米11月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は82.0と、10月実績の81.8を小幅に上回る見通し。新型ウイルスによる景気減速への懸念が広がるものの、個人消費の改善が続けば株高・ドル売りを誘発しよう。