出玉性能が抑えられた「6号機」時代に突入し、ユーザー離れが深刻化しているパチスロ業界だが、2021年1月からは、出玉制限を緩和した「6.1号機」が全国のホールへと導入され、ユーザー再獲得に向けて、巻き返しを図っている。
「6.1号機」の大きな特徴は「ベース」が低くなったということだ。「ベース」とは、ボーナスなどに当たっていない“通常時”に“どれだけたくさん回せるか”という指標であり、1000円(メダル50枚)で回せるゲーム数の理論値で表すことが多い。「6号機」では、1000円あたり50ゲームくらいのベースだったのが、6.1号機では1000円あたり35~40ゲーム程度まで引き下げることが可能となった。ベースが低くなることのメリットについて、パチスロに詳しいライターの藤井夏樹氏が説明する。
「パチスロでは一定ゲーム数における出玉の上限と下限が決められていて、その範囲内にない機種はホールに導入することができません。つまり、ベースが高いと通常時にあまりメダルが減らないので、ボーナスやAT(アシストタイム)、ART(アシストリプレイタイム)と呼ばれる出玉が増加する状態に入った時に、そんなに爆発的な出玉にすることができないんです。
でも、ベースを下げれば、その分ボーナスやATでの出玉性能を高めることができる。または、ボーナスの頻度も高められます。つまり、6.1号機では、通常時のメダルが減る速度(=お金を使う速度)が速くなる代わりに、6号機よりも頻繁にボーナスやATを引けるということです」
この3月には、パチスロの大ヒットシリーズ「北斗の拳」で初の6.1号機となる、『パチスロ北斗の拳 宿命』(サミー、以下『宿命』)がホールデビューをした。
「6号機時代は、爆発的な出玉を防ぐということもあり、ボーナスやATの抽選が行われないゲームがあって、そこがユーザーのストレスになっていました。しかし、この『宿命』は通常時に“チャンス小役”と呼ばれる小役を引いた際に、ボーナス抽選が行われるシステムで、基本的にはどの状態でもボーナスの抽選が行われています。このシステムは過去の北斗の拳シリーズを踏襲するもので、そういった意味でも苦戦を強いられる6号機時代の救世主になるのではないかと期待されていました」(藤井氏)
では、そんな『宿命』に対して、ユーザーはどんな印象を抱いているのだろうか。パチスロファンの生の声を聞いた。