いつか痩せたらこの服を着ると思い、タンスの中に大切な洋服をしまっている人も多いかもしれない。あるいは、“この服を着られるようにするのが目標”と、お気に入りの洋服をモチベーションにダイエットに励む人もいるかもしれない。しかし、そうやってサイズが合っていない洋服を持ち続けていた結果、ただただタンスが膨れるだけというケースもよくある。
都内に住む40代の女性会社員・広瀬さんは、クローゼットに30代の頃の洋服がたくさん入っている。
「30歳くらいから徐々に体重が増え始め、当時から15kgくらい増えてしまいました。あのころは洋服のサイズもSやMだったんですが、いまはLかXLですね。お気に入りの服もたくさんあって、いつかそれらを着られるように、たびたびダイエットにも挑んでいます。でも、正直なところ全然成功しない。ただただ“タンスの肥やし”が増えていくだけです」(広瀬さん)
サイズが小さくなった服をクローゼットにキープしつつ、いまの体型に合った洋服も買っているという広瀬さん。気づけば部屋には、洋服があふれるようになってしまった。
「クローゼットは基本的に古い洋服でいっぱい、しかも3年以上は着ていないものばかり。リアルタイムで着る洋服は仕舞い込まず、ちょっとした棚の上に畳んでまとめて置いていて、毎日そこから選んで着るような状態です。
いつかは痩せたいとは思いつつ、もう何年も経っていて、さすがにもうムリなんじゃないかと思い始めています。あと、クローゼットがいっぱいになった頃から、日々の生活もだらしなくなったようにも感じています。そろそろ着られない洋服は捨てるタイミングなんでしょうか……」(広瀬さん)
痩せた後の体型にはフィットしているが…
一方、実際にダイエットに成功して、過去の服を着ようとしたものの“微妙”だったというケースもある。都内在住の30代の女性会社員・野村さん(仮名)の話だ。
「ちょっと高かった革のジャケットや、お気に入りのスカートなど、“痩せたら着よう”と思ってとっておいた服をいざ着てみたら、なんというかサイズ感がおかしい。たしかに痩せた後の体型にはフィットしているんですが、サイズ感がいまの流行とぜんぜん違うんです。ジャケットはちょっと小さめだし、スカートも中途半端な丈……。
当時はそういったサイズ感が流行りだったんでしょうが、いまとなってはちょっとキビシイ。もちろん時代に左右されない定番のスーツやYシャツといったものであれば話は別ですが、そうでないものについては、“痩せたら着よう”はあまり意味がないと実感しました」