「女性なのに料理もできないの?」──。ときにそんなデリカシーのない質問をぶつけてくる人がいる。肯定しても否定しても嫌な空気が残る、答えにくい質問に対して、どうスマートに返答すべきか悩む人は多い。では、いったいどんな回答が正解なのか。業界屈指の切り返しの達人6人に回答例を聞いてみた。
【お題】「女子力高いわね」
【賢人の回答例】
「えぇ!? めちゃめちゃうれしいです! そのお言葉でご飯3杯いっちゃいそうです!」(夫婦漫才コンビ「かつみ・さゆり」のさゆり)
「洋服、セーター、料理……なんでも作れるけど家庭がつくれないのよね(自虐で笑いをとります)」(ライター歴43年のオバ記者こと野原広子さん)
「そんなふうに見えるかもしれませんが、実はそうでもないんです(嫌な気持ちがしたら、受け入れてから否定)」(コミュニケーションアドバイザー・森優子さん)
「育ててくれた親に感謝です!(ほめてくれたことを受け入れて、育った環境で女子力が育まれたことを伝えます)」(お笑い芸人・横澤夏子)
【アドバイス】本音では「男性に媚びている」という妬みや決めつけがある質問
「女子力の高さをほめられて、もやっとする背景には“あなたは男性に媚びている”というニュアンスが質問に含まれるから。似た言葉に“家庭的だね”があります。こういう場合は、“自分のための家事は得意なんですけど、他人のためにはあまりやらないんですよ”と返してはどうでしょうか。家事ではなくファッションについて言われたら、“私、こういう服が大好きなのよ”と自信をもって言ってOK」(河崎さん)
【お題】「女性なのに料理もできないの?」
【賢人の回答例】
「食べる方なら、誰にも負けないんですけどね」(コメンテーター・コラムニストの河崎さん)
「そうなんですよ。10年後の私を見てください。めちゃめちゃできている予定です!」(さゆり)
「私、どうやら小さいのがアソコについているみたい(笑いをとります)」(野原さん)
「女性のイメージ、私が覆してやりますよ!(ギャグ風&けんか腰に)」(横澤)
【アドバイス】時代錯誤の差別発言だと明言してわからせるのが重要
「このような発言にきちんと答える必要はありません。“ずいぶん古い考え方ですね。いまは令和です”などとし、女性蔑視であることや、時代が違うことをはっきりと伝えるといいでしょう。“差別ですよね。ちょっと問題発言ですよ”とか“その発言、すべての女性を敵にしてしまいますよ”などと少しきつめでもいいかもしれません。相手に悪意がないなら笑顔で。しかし、相手の言い方次第では真顔で言っていいと思います」(森さん)