東京・港区の麻布界隈には、“麻布妻”と呼ばれる富裕層女性たちが住む。夫からは潤沢な生活費を渡され、金銭的には不自由ない暮らしを送る女性たちも少なくないようだが、その「受け取り方」にもいろいろなパターンがあるようだ。そこから垣間見える富裕層女性たちの金銭感覚とは? 実際にあった話を、自身も麻布妻でライターの高木希美氏がリポートする。
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アラフォーの美華さん(仮名、以下同)は、最近ご主人と別々に暮らすことになりました。この日の話題は、別居話で持ちきりです。
「今回、別居することになったけど、うちはね、もともと、サッパリしてるの。“俺が稼いでるんだから口は出すな”というタイプだから、月50万円の生活費を渡す以外に、家族らしいことはあまりしてくれないのよ。土日も釣りや旅行に行って帰ってこないこともあったし。でも、長女だけは可愛がってる。息子はあんまり可愛がってくれてないんだけどね」
美華さんは夫との関係をそう赤裸々に語りました。ご主人は50代の会社経営者。若い頃に立ち上げて成功した前の会社を売却し、働かなくても遊んで暮らせるほどの資産があって自由に暮らしているそうです。美華さんは、別居することになった夫のことを、どこか誇らしげに話していました。
それを聞いたアラフォーママ友のまどかさん。拍手しながら「お祝いしなきゃ! 旦那なんていないほうが良くない? 万歳だよ、おめでとう!」と語り、こう続けました。
「実際、男なんてお金くれたら、いらなくない? うちは仲良いテイでやってるけど、褒めたりおだてたりしないと家事も何ひとつしないし何か買ってくれるわけでもないし、正直いてもいなくても同じだよ」
それには美華さんも大きくうなずいて、こう話します。「正直、別居しても生活費は継続だし、支出はあまりないから、貯金もあるし特に生活変わらないんだけどね」
ここで割って入ったのが礼美さんです。礼美さんは数年前に実業家の男性と結婚し、全身ブランドで固めた典型的な麻布妻。
「そもそも生活費って毎月ちまちま50万なんですかあ? カツカツで生活するの嫌じゃないんですか? 女性には急な出費があるのに、旦那さん何も理解してないんですね」
その言い方に、ちょっと引き気味の一同。礼美さんが続けます。
「うちって、毎年1月に1000万円を一括手渡しで生活費として渡されて、それ以外は必要な時にくれるんですう。たまに夫婦生活の後に気分が上がって100万円くれる時もある」
麻布妻の会話でよくある、「私はこんなに稼ぐ男からこんなに愛されている」というパターンのマウンティングです。
「私は給与明細もきちんと見せてもらってるし、これくらい渡されて妥当かなって思うんです。本当、男選びって大切ぅ~!」
礼美さんは止まりません。