街も慌ただしい年末年始の連休を利用し、ホールに足を運ぶパチンコ・パチスロファンも少なくないが、2021年末から2022年始にかけては、例年に比べて少々雰囲気が異なるという。その理由は、2022年1月末で完全撤去される“旧規則機”にある。パチンコ・パチスロ業界に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏が説明する。
「パチンコ機、パチスロ機については、機種の出玉性能や演出に関する規則が頻繁に変更されますが、今年1月末に“旧規則機”と呼ばれる機種をホールから完全撤去すると取り決められています。パチンコについては“新規則機”の人気も高く、旧規則機からの移行は順調ですが、パチスロについては出玉性能がかなり抑えられている新規則機(6号機)の人気が低く、旧規則機(5号機)の完全撤去によるユーザー離れが深刻化しています。
そして、そんな5号機を打てるのは1月いっぱいまでだということで、年末年始に5号機を打ち納めしようというユーザーも多いようです」
最後の5号機を楽しむパチスロファンが多い一方で、2月以降は否が応でも6号機を打つしかなくなるのも事実だ。
「6号機は一度に獲得できる出玉が最大2400枚と定められており、この点に不満を感じるユーザーも少なくないようです。やはり“大きく勝ちたい”と考えるユーザーは多く、出玉の上限があることで“大きく出す楽しみ”が低減していると言わざるを得ません」(藤井氏)
“あまり出ない6号機”の時代に突入するからこそ、あえて大きな出玉を狙わずに、シンプルな機種を楽しみたいというユーザーもいるようだ。藤井氏は言う。
「5号機の後半くらいから、液晶演出も音声もかなり派手になり、機種の内部システムもかなり複雑化しています。“AT(アシストタイム)”や“ART(アシストリプレイタイム)”などと呼ばれる“出玉が増える状態”に入るために、いくつものステップを踏む必要がある機種も多く、その過程を楽しむパターンも多い。でも、そういった“複雑”な機種は、機種の内部システムについてそれなりの知識が必要で、少々ハードルが高いと感じるユーザーもいるようです。
その一方で『ジャグラー』シリーズに代表される、とにかくシンプルな機種も人気となっています。ジャグラーの場合、出玉を増やすのはビッグボーナスとレギュラーボーナスの2つの機能のみ。液晶演出はまったくなく、いずれかのボーナスに当選したら“GOGO!ランプ”が光って知らせてくれるので、見逃すこともありません。つまり、何もわかっていなくても、気軽に打てるということで、幅広い層に支持されているのです。
また、ジャグラーシリーズの出玉性能は至ってシンプルなので、6号機の時代になっても、その中身はほぼ変わりません。つまり、ジャグラーシリーズは2月以降もそのまま楽しめる機種と言えるわけです」