お年玉付年賀はがきの抽選が行われ、当せん番号が発表された。今年の1等は昨年同様、現金30万円か電子マネー31万円。1等の当せん確率は「100万本に1本」と非常に低いが、「ひょっとしたら……」との期待を込めつつ、自宅や職場に届いた年賀状を読み返す人は多いのではないだろうか。お正月ならではのささやかな楽しみと言えるが、なかにはそれがきっかけで「嫌な気持ち」がぶり返すこともあるようだ。フリーライターの吉田みく氏が、30代主婦に話を聞いた。
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夫と0歳の子を持つ埼玉県在住の専業主婦アイカさん(仮名・39歳)。お年玉付き年賀はがきの当せん番号を確認しようとして、正月早々に味わったモヤモヤがぶり返したという。
「結婚してから年賀状を出すようになりました。独身時代は面倒だったし、良さがイマイチ分からなかったこともあったのですが、年始に近況を伝えられるのは素敵な文化だと実感しています。コロナ禍で気軽に会えない分、人の繋がりは大切にしていきたいですね」(アイカさん、以下同)
昨年は自身の出産という大きな出来事があったため、子供の写真付き年賀状を100枚ほど作り、親戚や友人らに送ったそうだ。印刷代などの出費を考えると決して安くはないが、皆に報告したい内容だったために気合いを入れたという。華やかなシールでデコレーションするなど想いを込めて作成した年賀状だったのだが、「ある友人からは受け入れてもらえなかった」と、アイカさんは残念そうに話した。
「年始早々、突然、SNSでありがとうを意味するスタンプが1つ送られてきました。時期的に年賀状のお礼であることが分かりましたが、すごく雑な返しに感じてしまったのが本音です。しかも汎用性の高そうなスタンプなのもモヤっとしました。
せめて新年のあいさつ向けのスタンプで返すべきではないでしょうか? 相手は義理を果たした気分でいるとは思いますが、ちょっと違いますよね? 人間関係ってそんなに希薄なものでしょうか……」
心に引っかかりが残ってしまったアイカさんは、スタンプの件をあえて友人に聞いてみることにしたそうだ。そこで意外な答えが返ってきたという。