人々の生活に大きな影響を与えたコロナ禍。飲食店の営業制限が解除され、コロナ前と同様に外食ができるようになったが、その一方で消費者を悩ませているのが値上げラッシュだ。原材料費や物流費が高騰、さらにウクライナ情勢や円安もあいまって、多くの飲食チェーンで値上げが続いている。昼食代をどう節約するか、頭を悩ませている人もいるのではないか。そうしたなかで、「会社に行く時は手作りの弁当を持参するようになった」という人たちが増えているようだ。
都内のIT企業に勤める30代の女性・八木さん(仮名)は、こう話す。
「私は一人暮らしなのですが、コロナ前まではほとんど自炊せず、ランチも毎回同僚と外に食べに行っていました。でも、コロナ禍で、基本的にリモートワークという生活になると、どうしても少しは自炊をせざるを得ない。いまは1週間に3日くらい出社していますが、コロナ禍の生活で、一人でご飯を食べるのに慣れたのと、料理をする習慣がついたので、出社するときはほぼ毎回、自作のお弁当を持っていっています。料理をするのは基本的に夜で、朝にそれをお弁当箱に詰めるだけ。毎日代わり映えしなくても、自分だけだから問題なし。手間もお金もかかっていません」(八木さん)
手作り弁当生活をするようになって、ランチにかけるお金が格段に減ったという。
「会社周辺の飲食店は、ランチでも普通に1000円かかったりします。でもお弁当なら、1食分の材料費は300円くらい。頑張れば200円以内におさめることもできます」(八木さん)
また、外食時は肉系のメニューが多かったが、手作り弁当では野菜中心のメニューになった。
「外食でランチをする場合、どうしても炭水化物やお肉が多くて、若干“食べ過ぎ”になることもあるんです。でもお弁当ならご飯の量も自分で調節できるし、食べたい分量しか入れない。節約という意味でも、ダイエットという意味でも、お弁当の良さを見直しました」(八木さん)