物件探しは、実際に内見してみないとわからないことも少なくない。駅からの距離や間取りは気に入っていても、窓を開けると、向かいのマンション・アパートのベランダや共用廊下から丸見えだったりして、がっかりするケースもあるだろう。
住まいの眺望にそこまでのこだわりがあるわけではないが、最低限、プライバシーが守られる物件に住みたいという人は少なくないはず。近接する物件の眺望問題に苦しんでいる人たちに、その実情を聞いた。
眺望は気にしないけど、プライバシーが…
メーカーに勤務する30代男性・Aさんは家賃の安さにひかれて、ベランダの向かいがマンションの共用廊下という物件に住んでいる。
「築年数が古くないのに、相場より安い物件を発見。内見してみると、お風呂もキッチンスペースも広くて最高でした。こんなに良い物件がどうして空室なんだろうと思っていたら、向かいのマンションの共用外廊下からこちらのベランダが丸見えで、めちゃくちゃ納得しました(笑)」(Aさん)
Aさんはそれまで積極的にマンションの1階に住んでいたほどで、そもそも眺望に魅力を感じていないタイプだったが、実際に住んでみると「その認識は甘かった」という。
「マンションの1階は、確かに眺望もなにもありませんが、でもその分、しっかりとした柵があり、通行人からのプライバシーは守られていました。一方、建物が別だと、そういった配慮がないというか……。共用廊下の前なので、僕が部屋のカーテンを開けると、目の前に住人や配達員がいることもしばしば。向こうからもこっちからも丸見えで、見ようとしているわけでもないのに、『向かいの住人は最近フードデリバリーをよく使うなー』とか、いらない情報を知ってしまいます」(Aさん)