投資信託をはじめとした投資商品の売買によって利益を得た場合、利益には税金がかかる。資産運用を行っていくうえで、税金についての正しい知識も必要だ。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第10回は、「投資信託にかかる税金と証券口座の選び方」について。
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資産運用デビューに向けて、これまでの連載では金融資産の種類や資産運用の方法について解説してきました。資産運用でお金が増えることをイメージするのは楽しいですが、利益が出た場合は、税金を納める必要があります。運用コストと同様、税金をなるべく抑えることで、手元に残るお金は大きくなります。賢く資産を増やすために、税金の知識をきちんと身につけましょう。
投資信託で得られる2種類の利益と税金
税金の解説をする前に、投資信託の利益の説明から始めます。投資信託によって得られる利益には、分配金と譲渡益の2種類があります。
分配金は、投資信託の運用によって得られた利益を、決算ごとに投資家に分配するお金のことです。投資信託によって、分配金の有無や、回数(年2回、4回など)が異なっています。さらに分配金には「普通分配金」と「元本払戻金(特別分配金)」の2種類があり、分配のしくみと税金のかかり方が違いますので注意が必要です。
・普通分配金
普通分配金は、運用によって得た利益を、投資家へ分配するお金のことです。これは投資の純粋な利益なので、課税の対象になります。
・元本払戻金(特別分配金)