運用コストが低い投資信託を長期保有する──これは初心者にも始めやすい投資方法だ。では、どのような投資信託を選べばよいのか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第7回は、「インデックス投信とアクティブ投信の違い」について。
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前回記事では、長期で資産形成を目指すために「買ってはいけない投資信託」について、3つのポイントを解説しました。その中でも、コストが高い投資信託については、いちばん避けなければならないと強めにアドバイスしております。なぜなら、投資信託の値動きを予想することは難しいですが、コストは確実に計算できるからです。とくに、運用成績に大きな影響を及ぼす信託報酬は、高ければ高いほど、パフォーマンスにマイナスの作用を及ぼしますので、できるだけ安いものを選ぶのが鉄則です。それではどのような投資信託が、信託報酬が安いのでしょうか?
投資信託は、運用方針の違いによって、インデックス投信とアクティブ投信のふたつに分けられます。一般的に、インデックス投信のほうが低コストなので、長期投資するならインデックス投信がおすすめです。では、なぜインデックス投信のほうがアクティブ投信より低コストなのか。両者の違いを見てみましょう。
インデックス投信の特徴
インデックス投信は、日経平均株価やTOPIXといった指数に連動するように設計されています。たとえば日経平均株価に連動するインデックス投信なら、日経平均株価が上昇すれば、同様にその投資信託も上昇します。わかりやすいですよね?
組み入れられている銘柄は、その指数を構成している銘柄と同じなので、ファンドマネージャーが銘柄の調査や分析をするなどといった手間がかからず、その分、手数料がお安くなるというわけです。
インデックス投信が連動する株式指数は、数多くありますが、代表的なものには下記があります。
・日経平均株価 (日本を代表する225銘柄)
・TOPIX(旧・東証1部上場の全銘柄)
・S&P500指数(米国の代表的な企業500社)
・NYダウ(米国各業種の代表的な30銘柄)
・ナスダック指数(ナスダック市場に上場しているすべての銘柄)
たとえばS&P500指数に連動するインデックス投信を買えば、アメリカ株500社にまるっと分散投資できます。