日常生活で感じた「不満」を買い取ってくれるサービスがあるのをご存じだろうか。それが、AIによる事業支援を行なうインサイトテックが運営している「不満買取センター」だ。2012年6月からサービスを開始し、現在の会員数は70万人を超えているという。
一体どのような仕組みなのか。担当者に聞いてみた。
「不満買取センターは、皆様からお寄せいただいた各種商品やサービスへの不満、日常生活における不満を自社独自のAIで分析し、企業や自治体に届けるというビジネスモデルです。解析された『不満』は商品・サービスの改善や新商品開発などに活かされています」(同社システム開発部)
ユーザーの会員登録は無料。日常で感じた不満をスマホやパソコンから投稿すると、内容の評価に応じて1~10ポイントが付与される(1日に投稿できるのは最大10件まで)。取得したポイントは1ポイント=1円換算でAmazonギフト券に交換可能(500ポイントから)。コツコツと投稿すれば、ひと月に約3000円分のギフト券が手に入るので、ちょっとした小遣い稼ぎになりそうだ。
では、実際にどのような不満が投稿されているのか。
「コンビニでもスーパーみたいに食料品を冷やす無料サービスの氷があったらいいのに。お弁当やドリンクなど、夏場は少しでも冷やしておきたいから」(40代・女性)
「冷凍庫を開けた時にライトが点灯するようにして欲しい。夜中にアイスを食べたくなった時、わざわざ台所の電気をつけるのは面倒」(20代・女性)
「スーツケースのタイヤは交換できるようにすべき。本体はまだまだ使えるのにタイヤだけのために粗大ごみで捨てるのはもったいない」(40代・男性)
不満というとネガティブに聞こえるが、寄せられる投稿は、このように日常生活でのちょっとした「気づき」に関するものが多い。実際、「不満買取センター」に寄せられた投稿が大手食品メーカーの新商品開発に繋がった例もあるという。