11月8日に実施されたアメリカの中間選挙は、事前の共和党有利の予想を覆して、民主党が善戦した。この結果が、株式市場や為替市場にどのような影響を与えるのか。株やFX(外国為替証拠金取引)などのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが今後の見通しを解説する。
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アメリカ中間選挙は当初、野党・共和党が上院・下院とも過半数を取る公算が大きいとされていました。まだ最終的な結果は出ていないものの、与党・民主党が上院多数派を維持するなど、予想外の善戦となる結果でした。
相場は共和党優勢を織り込みにいったことから、ドル安・株高に傾いたものの、共和党がなかなか議席を伸ばせなかったことで、一時的に株高の巻き戻しも起こりました。とはいえ、今後の展開は株高方向に動くことが想定されます。
上院と下院で多数党が異なる「ねじれ議会」は政治の膠着状態を招くものの、過去のアメリカ株式市場を見る限り、堅調に推移する傾向がありました。また、中間選挙の翌年」や「米国株が25%以上下落した翌年」は株高で推移しやすいという傾向も見られます。そうしたアノマリーから、個人的な見通しでは、これからアメリカ株式市場が大きく下落していく可能性は低いのではないか、と考えています。
もし下落するとしたら、FRB(連邦準備制度理事会)が利下げに転じるタイミングかもしれません。過去にも利下げ局面では株式市場の調整が散見されました。
金利先物市場にも目を向けると、来年後半の利下げを織り込み始めています。来年前半までは政策金利を引き上げ、その後インフレ動向を見極めた上で、利下げに転じるケースも考えられるでしょう。
そうした中、トレーダーにとって、どこでエントリーするのか、どのタイミングで利益確定を行うのかを検討するには、テクニカル分析が役立ちます。私自身はテクニカルトレーダーですので、テクニカル分析とチャートから得られる情報を信頼しています。これからトレードの勉強をするなら、テクニカル分析にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)