パナソニックは1月23日、録画用ブルーレイディスクの生産を2月で終了することを発表した。公式サイトでは「後継商品はございません」とされており、現行製品の製造が終了するだけでなく、録画用ブルーレイディスクから“完全撤退”ということのようだ。
かつて「ビデオデッキ」が広く普及していた時代、テレビ番組はビデオテープに録画するものだった。時が流れてハードディスクレコーダーが普及すると、番組はハードディスクに録画するようになり、その番組データを保存するメディアとして、DVDやブルーレイディスクが使われるようになった。
そして、ネットでの動画配信サービスやテレビ局による見逃し配信が一般的になったことで、テレビ番組を録画する習慣がなくなった人も増えているだろう。そういった状況の中で、録画用ブルーレイディスクの需要が減っているのだ。エンタメ分野を専門とするライターの大塚ナギサ氏はこう話す。
「私自身も以前は、毎週何本もの番組を予約録画し、さらにそのなかから“これは保存しておきたい”と思う番組はブルーレイディスクに保存していました。でも最近はネットで後からチェックできる番組が増え、ディスクに保存する機会は激減しています。
特に、ドラマやアニメなどは、基本的にほとんどの作品がネットで観られるので、ディスクに保存することはなくなりました。以前はドラマやアニメを熱心に観ているファンは、番組をディスクに保存しているイメージがありましたが、そういったファンもネットで観ることが増えている。視聴様式は確実に変化していると思います」
配信でチェックできるから録画しなくなった
実際に、かつてはアニメを大量に録画してブルーレイディスクに保存していたが、今となってはまったく保存しなくなったアニメファンもいる。都内に住む会社員・Aさん(40代男性)はこう話す。
「ビデオデッキの時代から、アニメをたくさん録画して保存していました。でも、配信でほとんどのアニメがチェックできるようになってからは、ディスクに保存することはなくなりましたね。配信される内容とオンエアーされる内容は微妙に違うので、CMなども含めて保存しておきたい、と考えていた頃もありましたが、今ではそういったことも気にならなくなりました。オリジナル性を重視するオタク心よりも、気楽にチェックできる便利さが勝っています」(Aさん)