値上げラッシュが直撃する中、家計防衛のために何に取り組むべきか。収入を増やすだけでなく、固定費の支出を減らすことも家計を守るうえでは重要となる。
「高騰する電気代は契約の見直しを検討したい」。そう指摘するのは、ファイナンシャルプランナーで節約アドバイザーの丸山晴美氏。
「電気の契約アンペア(A)は、同時に使える電流の量を示しており、10A下げると月約300円の節約に。子供が独立し、夫婦2人で50Aの契約を続けているなら見直すのもいいでしょう。30Aまで下げれば年間7200円節約できます」
固定費の削減で最も手っ取り早く効果が表われるのは携帯電話代だ。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏が言う。
「大手携帯会社で月額8000円くらい払っているなら、格安スマホに変更すれば月2000~3000円程度に抑えられます。ただし、多くの格安スマホ会社はネットでの申し込みが必須。心配なら、実店舗があり窓口で相談ができる大手携帯会社の格安ブランドがお勧めです。au系のUQモバイルやソフトバンク系のワイモバイルでも月額2000~3000円で利用できます」
現役時代から契約したままの保険も、この機に見直すとよい。生命保険文化センターによると、1世帯あたりの払い込み保険料は平均で年37万1000円。月額3万円以上になる。ファイナンシャルプランナーの柘植輝氏は「民間の保険は月額5000~1万円程度で十分」だと語る。
「歳を重ねるほど民間の保険は不要だと考えます。日本では公的保険制度が充実し、万が一入院となっても高額療養費制度があります。子供が独立したなら、医療保険は月額2000~3000円の保険料で入院給付金を1日あたり5000円受け取れる都民共済や県民共済だけで十分です。加えて、高額な生命保険を解約して数十万円の葬式代が賄える程度のものだけにすると、月額2万円くらいの削減が可能です」