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アイドマ・ホールディングス:クラウドワーカーの活用に強み

アイドマ・ホールディングス(7373):市場平均予想(単位:百万円)

アイドマ・ホールディングス(7373):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 アイドマ・ホールディングス(7373)は、中小企業の営業を支援するセールステックカンパニー。

 中小企業の営業を支援するインサイドセールス代行サービスを中心に、クラウドワーカー特化型求人サイトの運営、業務支援ツールの提供なども行っています。

 インサイドセールスは、電話やメール、オンライン会議システムなどを使用して、オフィスにいながら顧客にアプローチする「非対面型の営業」を指します。オンライン型営業とも呼ばれます。短時間で多くの顧客にアプローチできることや非属人的でマニュアル化しやすいなど、効率性の高い営業手法として、人手不足を背景に浸透してきました。特にここ数年はコロナ禍での非対面ニーズからインサイドセールスへ移行する企業が増加しています。

 同社のブログによると、「インサイドセールスは、マーケティングから渡された見込み顧客を受注確度によって優先順位をつけ、アプローチを重ね、十分に顧客の購買意欲が高まった段階で、フィールドセールス(対面でアプローチする従来の訪問型営業)にパスします」とのこと。

 ちなみにインサイドセールスにも、テレアポやメール、FAXなどで営業をかけ、見込み客を作っていく「アウトバウンド型」と、WebサイトやSNSなどに出した宣伝広告に対する問い合わせに営業をかける「インバウンド型」がありますが、同社サービスが担うのは、アウトバウンド型のインサイドセールスです。

 同社はこのインサイドセールスの代行で中小企業の営業支援を行っています。人手不足を背景に営業人員が不足する中で、需要を集め、営業支援サービスの受注件数はこの3年だけでも710社→2240社と3倍に拡大しています。

 主力の営業支援サービスは、2022年8月期には売上高(62億円)の76%を構成しました。顧客はBtoB(法人向けビジネスを営む)を行う中小企業(従業員数100名未満)が全体の90%を構成しています。

注目ポイント

 足元業績は絶好調です。売上増に伴う原価増により粗利益率は前年の81.2%→75.6%に低下しましたが、コスト管理によって営業利益率は32.6%→36.2%に改善しており、高い利益水準を維持しています。主力の営業支援事業、クラウドワーカー活用支援を提供する人材支援事業ともに受注が高水準で推移しており、今期も過去最高業績更新の見通しです。

 同社の展開する事業は中小企業で、人手不足を背景に営業人員の不足が深刻化しており、テクノロジーの活用やアウトソーシングの活用で生産性を上げていくしかありません。こうした環境の中、同社は、自社開発の営業支援システムと自社運営サイトで集めたクラウドワーカーを活用した効率的なインサイドセールス代行で需要を集めることに成功。過去3年間で、受注件数は3倍。売上は70%のCAGR(年平均成長率)で成長してきました。

 クラウドワーカーを活用した事業展開は新たな成長機会を生むところで、「タレントプール」の開発が注目されます。タレントプールは人材の情報を蓄えるデータベースのことで、同社では、求人サイト登録者にビジネストレーニングを提供し、これを受けたクラウドワーカーを登録していくとしています。

 タレントプールは、クラウドワーカーの業務データや「のようなかたちで成果を上げました」などのリファレンスデータも紐づけ、人材紹介サービスや、スカウト機能、またプロジェクトベースでマッチングできる仕組みも展開していく意向が示されています。

 リソースとなる求人サイト登録者数が順調に増加していることに加え、事業を強化するM&Aも実施しており、今後の成長が期待されます。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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