もう少し詳しく見てみましょう。ドライバーや運行スタッフへ確認を促す音声案内と、確認を行わなかった場合の車外警報(降車確認ボタン)の流れです。
【1】エンジン停止(イグニッション/アクセサリーOFF)後、運行スタッフに車内の確認を促す音声案内を開始します。
【2】つぎに運行スタッフが車内に残っている幼児などがいないか確認し、車内最後尾に設置した降車確認ボタンを押すと音声案内は停止します。
【3】音声案内開始から一定時間経過しても降車確認ボタンが押されない場合、ホーンの吹鳴とハザードランプの点滅で車外へ警報します。
次に、それでも車内に子供が取り残された場合の対策についての流れです。
【1】大人の確認漏れによって幼児などが置き去りになった場合、幼児などが自らボタン(ここだよボタン)を押すことで、ホーンの吹鳴とハザードランプの点滅で車外へ警報します。
【2】ハイエース(集中ドアロック付車)では、「ここだよボタン」に連動してドアロックが解除されます。
以上のような2段階の対策が取られており、このシステムを10万円前後で装備できるとしています。そして対象車種はコースター(幼児専用車)が年式 2004年7月~、ハイエース(幼児バス)は年式 2004年8月~となっています。消費税込みですが、取付工賃など諸費用は含んでいません。それでも、これまでの無防備な状況からすれば、なんとも心強いものとなります。
そして時を同じくして、日産自動車からも後付けタイプの「車内置き去り防止支援システム」を、6 月より順次全国の販売会社にて発売することを発表しました。日産にもシビリアン、キャラバンといった幼児送迎用として人気のモデルがあり、専用車としてかなり多くの台数が普及していますから当然の対応です。ただ、4月や5月であっても締め切った車内の温度は予想以上に上昇し、幼い子供達は簡単に脱水症状や熱中症を起こします。出来れば少しでも早く対応して欲しい、と願うのは当然のことだと思います。
人感センサーを備えた製品への期待
日産のシステム内容は、トヨタのものとほとんど同じです。車両へのシステム取り付けは各販売会社で行い、価格は取り付け工賃を含め補助金の範囲内を予定しています。
この「補助金」についてですが、国のガイドラインに適合した安全装置を取り付けた場合、1 台あたりの上限額を17万5000円と想定しています。トヨタのシステムと同様、補助金の範囲内に収まるように設定されるはずです。