日本は中学まで義務教育で、高校の進学率も約98%。ただし、同じ学年の全員が顔見知りという学校と、1学年が1000人を超えるような“マンモス校”では学校生活も大きく変わってくる。一律にどちらがいいとは言えないが、マンモス校にはマンモス校ならではの悩みや珍事件があるようだ。マンモス校のOB・OGたちに聞いたその実情を紹介しよう。
卒アルは知らない顔だらけ
Aさん(40代/女性)が通った高校は、男女合わせて1学年1500人を超える超マンモス校。Aさんはわざわざ隣県から通学していたが、まずは通学が大変だった。
「ウチの高校は駅から遠く、生徒は最寄り駅からバスを使いますが、これが猛烈に混むんです。全員が同じ時間を目指して登校するんですから、当たり前ですよね。ピーク時はバス停の前に長蛇の列ができ、マナーが悪いとクレームが学校に寄せられる多いため、教師が毎朝、見張りに立っていました。いま考えるとバスは完全に定員オーバーで、朝から戦争でした」(Aさん)
学校側は当然の対策として、時差登校を促していたものの、「守っていたのはクラスで1人か2人」(Aさん)だったとか。授業でも苦労は多かった。
「とにかく進学実績を伸ばすのに必死で、ほぼ全ての科目が成績別にレベル分けされており、同じクラスの子でも授業はバラバラ。入れ替えも頻繁なので、授業中は常に周りは知らない子だらけで、高校というより予備校といった感じでした。同じ学年でも、成績上位のクラスと下位のクラスでは使う教科書も違いました。
その後、人生の色々な場面で同級生に出会いましたが、『どうやら同級生みたいですね』みたいな感じで、基本的に“初対面”でした。卒業アルバムも大半が知らない顔ばかりなので、見ても全く面白くありません。もはや自分の卒アルなのかどうかもわからないレベルです(笑)」(Aさん)