あまりなじみのない債券投資ですが、じつは、2020年度(2020年4月~2021年3月)の国内の株式の取引量と債券の取引量(公社債店頭売買高)を比べると、株式は約767兆円、債券は約23京1494兆円でした。「京?」と目を見張るような数字ですが、ざっくり株式の取引量の約28倍にもなります。とはいえ取引しているのは、銀行などの金融機関や、外国人投資家、債券ディーラーがほとんどで、個人ではほんの5000億円程度。この数字を見ても、債券投資がわたしたち個人投資家になじみが薄いことが分かります。
債券のチェックポイント
債券投資をする場合、発行体がどこであるかはもちろん、そのほかにもいろいろチェックするポイントがあります。
【発行体】
資金調達のためにお金を借りる側のこと。発行体の信用度によって利息の支払いなどの条件が変わります。国、地方公共団体、民間企業など、発行体はさまざま。
【格付け】
格付機関が発行体の債務支払能力を評価し、信用力を示したものです。格付が低くなるほど債務不履行(借入金などをあらかじめ決められた条件で支払うことができなくなる)に陥る可能性が高くなります。
主な格付け機関は、日本では、R&I(格付投資情報センター)、JCR(日本格付研究所)、海外ではMoody’s(ムーディーズ・インベスターズ・サービス)、S&P(S&Pグローバル・レーティング)、Fitch (フィッチ・レーティングス)などがあります。
格付けは、格付け機関によって表記方法が違いますが、基本的にはA~Cで、Aの数が3つのトリプルAがいちばん信用度が高く、CがひとつのシンプルCがいちばん低くなります。
格付けが高いほど金利は低く、格付けが低いほど金利は高くなります。これは低リスク低リターン、高リスク高リターンの法則となっており、自分に見合ったリスクのものを選ぶのが大切です。
トリプルB以上が「投資適格」とされ比較的安全です。それ以下であればリスクが高くなりますので、投資には慎重になったほうがよいでしょう。