オーナーが訪ねてきた理由
鍵を開けて玄関で立ち話をすることに。
Aさん「すみません。Aです。この度は部屋を貸していただきありがとうございます」
オーナー「いえいえ。こちらこそありがとうございます。ところでいつからお住まい? いつお引っ越しされてきたんですか?」
Aさん「おとといの25日です。その数日前にレターパックで不動産屋さんから鍵が送られてきました」
オーナー「そうでしたか。それは突然の訪問、失礼しました」
オーナーは、契約する入居日が4月1日からだったため、水は出るか、ブレーカーは落ちているか、異常はないかなど、部屋の最終確認にきたのだという。
その翌日、不動産屋から連絡があり、3月25日~31日までの日割り分賃料に相当する約2万円を追加で支払ってほしいといわれた。今月分はサービスで、いわゆる“フリーレント”ではないのかと強くうったえたが、らちがあかないため、致し方なく生活費の中から追加で約2万円を振込みした。
誰に落ち度があるのか
本来、鍵の引き渡しは対面で、賃料発生日に手渡されるものである。しかし、Aさんのように借主が遠方住まいの場合や、朝早くからの引っ越しなどで不動産屋に来店が難しい場合、郵送で渡されることもある。特にコロナ禍においてはそうしたケースも多いようだ。
この事例においては、Aさんも必要な注意をすべきであったが、やはり不動産屋に落ち度があるだろう。郵送するにしろ、せいぜい入居日の3日前程度にすべきであったし、その旨をオーナーである貸主へ伝えるべきであった。
借主にも、賃料発生日前には引っ越ししないでほしいこと、引っ越しするなら引っ越し日を事前に知らせてほしいと言っておくべきだった。
オーナーが部屋の最終確認をしなければ判明しなかった出来事。オーナーとしては鍵の到着日を賃料発生日にすることもできたが、引っ越し日からにしてくれたのは、まだ温情ともいえる。