吉田みく「誰にだって言い分があります」

公道を私物化する“道路族”問題 「路上洗車」「自転車の練習」に苦言を呈された人たちの困惑と言い分

「もちろんトラブルにならないよう配慮はしています」(イメージ)

「もちろんトラブルにならないよう配慮はしています」(イメージ)

「もちろん、一時的にせよ、公道を占拠するのはよくないことはわかっています。でも、自宅のカースペースで洗車をすると隣の家に洗剤が飛ぶし、洗車スペースのある場所までは30分以上かかります。そもそも家の前の道は車通りもないので、迷惑になることは少ないと思うのですが……。

 私自身、15年以上自宅前で洗車しており、いまさらクレームを言われても……と正直思ってしまいます。ご近所さんの中には、私のように洗車している人も他にいるんですけどね……」(同前)

 一方、今回のご近所からのクレームを重く受け止めたのはマサルさんの妻だった。自宅前での洗車をやめてコイン洗車場に行くように強く言ってきたそうだ。マサルさんは、「そこまで言うなら私よりも時間の余裕がある週3パートの妻に洗車を任せたい。せっかくの休日を洗車場で費やしたくはない」と話していた。

子供の補助なし自転車の練習で…

 埼玉県在住の専業主婦・エリカさん(仮名、34歳)は、7歳と5歳の子供を自宅前の道路で遊ばせていたところ、遊び方について指摘されたことを話してくれた。

「私としても公園まで連れて行くのがベストなのは分かっています。でもそれができない事情があることも理解してほしいです……」(エリカさん)

 エリカさんが注意を受けたのは子供の自転車の練習をしている時。次男が補助輪なしで乗る練習をしていると、近所に住む女性から「危ないからやめてほしい」と言われてしまったのだ。

「ご近所さんは『自転車の操作が上手くいかなくて、うちの車にぶつかってしまう可能性がある』と言っていました。もちろんそのようなトラブルにならないよう配慮はしていますし、万が一のために保険にも加入しています。

 長時間やっているなら注意されるのも分かりますが、10分くらいですよ? 私が小さい頃は自転車の練習を近所でやったものですが、今はダメなんですかね……」(エリカさん)

 少々不満な様子ではあったが、エリカさんとしても「注意されたからには止めたほうがいい」と理解はしている。しかし、話を聞くと、どうやら自転車の練習ができる公園まで行くことができない理由があるという。

「私、ペーパードライバーなんで車の運転は極力したくないんです。歩いていける範囲に大きな公園があればいいのですが、ありません。休日は夫に連れて行ってもらうことができますが平日はそれができなくて……」(同前)

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