「お金を貸してください」――街中を歩いている時、見ず知らずの人からこう話しかけられたことはないだろうか。金額は数万円ではなく、数百~数千円程度の少額を要求し、とにかくお金に困っていることを訴えかけてくる。実際に遭遇した人たちが、その経験を振り返る。
「3日も食べていない」男性に食べ物をあげたら…
IT企業に勤務する30代男性・Aさんは、見知らぬ人に「財布を失くしたので、電車賃を貸してください」と話しかけられたことがある。
「朝、最寄り駅に向かう途中、高齢男性に突然話しかけられて、『財布を失くして困っているいから、電車賃をくれないか』と言われました。電車賃を聞いたら500円でした。助けてあげたい気持ちもありましたが、財布が届けられているかもしれないし、盗まれた可能性もあると思い、交番に行くことを提案しました。すると何も言わず去っていきました……」(Aさん)
コロナ感染拡大以降、街中で「お金を貸してほしい」という人に何度か遭遇するようになったというAさん。細身の中年男性から、『コロナで失業したので、3日も食べていない。5000円貸してほしい』と呼び止められたこともある。
「オフィス街から少し外れたあたりで、終電間近でした。かわいそうだと思いましたが、キャッシュレス派なので現金の持ち合わせが本当にありませんでした。とりあえず腹の足しにでもなればと思い、持っていたプロテインバーをあげたら『なんでだよ!』と怒られました。本当に困っていたら、現物支給でも喜んでくれたはずなのに……。もしくはプロテインバーが嫌いだったのか、真相はわかりません」(Aさん)