中国は世界最大の製造業を有しており、かつ人口も多い。今後も需要先に困ることはないだろう。中国企業は従業員の昇進システムにおいても、給与格差においても、流動性においても、日本企業よりも米国企業に近い。経営者から末端の従業員まで絶えず激しい競争にさらされている。結果が求められる中で、経営陣の視線はいつも市場を向いており、危機感も強い。かつて日本企業がおかした失敗を繰り返すとは思えない。
巨大な市場と潤沢な資金供給がある限り、中国半導体産業の発展を抑え込むのは容易ではないだろう。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」も発信中。