コロナ禍を経て、一時は激減していた外国人観光客が戻ってきている。日本政府観光局(JNTO)が6月21日発表した5月の訪日外国人客数は、189万8900人。桜シーズン後の閑散期であるものの、2019年同月比68.5%まで回復し、回復率では前月を上回った。
そうしたなか、都心では「公道レンタルカート」に乗る外国人観光客の姿も見かけるようになった。外国人が日本の都心をまわる観光ツアーとして有名になったが、コロナ禍で目撃する機会もすっかり減っていた。それが復活しつつあるわけだが、日本に住んでいる人のなかには、「ちょっと危ない」と思っている人たちもいるようだ。公道を走るカートをよく見かける都心在住の人たちの本音とは──。
赤信号中の撮影サービスにヒヤヒヤ
渋谷にあるIT企業に勤務する20代女性・Aさんは、公道を走るカートのある動きに危険性を感じたと明かす。
「先日、カート軍団を目撃したのですが、スタッフによる撮影サービスがあるようなんですよね。一列で走っていたカートが、赤信号で停まったとき、先頭でアテンドする人が、カートから降りて後ろの外国人たちをパシャパシャと撮影していました。赤信号とはいえ、青になったら危ないのでは、と見ていてヒヤヒヤしました。観光客たちはテンションが高く上機嫌で、満面の笑みを浮かべて歩行者に手を振っていましたよ」(Aさん)
そんな事故の危険を感じながらも、Aさんは「以前に比べて、心境は変化してきた」という。どういうことか。
「鬱陶しいなと思っていたけど、私も外国に行ってそういうサービスがあったら乗っちゃうかもしれないなと思うと、眉をひそめるばかりでもいらないというか……。せっかく観光するのだから、特別な経験をしてみたいと思うのはわかる気がするんです。合法なら何もいえないし、ただただ事故が起こらないことを祈るばかりです」(Aさん)