国民全体の所得に占める税金と社会保障費の負担の割合を「国民負担率」と呼ぶ。2022年度の国民負担率の実績見込は47.5%と発表された。所得の約半分が税金や社会保障費になっているということだ。国民負担率は今後どうなっていくのだろうか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第52回は、「国民負担率」について。
* * *
お給料は増えているのに、生活が豊かになっている実感がない、むしろ苦しくなっていると感じている人が増えています。ここのところ食料品をはじめ、光熱費や被服費など、日用品全般が値上げしていることも理由のひとつですが、原因はそれだけではありません。お給料が増えても、苦しく感じる大きな理由は、国民負担率の増加にあります。
国民負担率とは?
国民負担率というのは、国民全体の所得に占める税金と社会保障費の負担の割合のことです。たとえば国民負担率50%であれば、所得の半分は、税金と社会保険費に持っていかれ、手元に半分しか残らないということです。
今年の2月、財務省が2022年度の国民負担率の実績見込みは47.5%と発表しました。2021年度の実績は48.1%で過去最高を記録しており、そこからはやや低下する見通しですが、それにしてもざっくり所得の半分が、税金と社会保険費で引かれているのですから、働いても働いても楽にならないと感じるのも無理がありません。