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人間の体に刻まれたリズムで記憶定着 精神科医が教える最強「スキマ15分読書術」

 1日の中に「15分を超えるスキマ時間」というのは、数えてみるとだいたい8ブロックほどは存在するはずです。この15分で「読書」をするのか、スマホで「メッセージ」をするのかで、人生が変わってしまいます。

 どうしても「メッセージ」をしたいのであれば、5分以下のスーパースキマ時間で行うと良いでしょう。例えば、電車を待っている時間。ここで本を読み始めても、集中し始めた頃にちょうど電車が来て、集中力がリセットされてしまう。読書をするには少し中途半端な時間です。

 つまり、電車を待っている間に「メッセージ」をして、電車に乗ったら15分刻みで「読書」をする。これが、集中力を意識した、脳科学的に正しい時間活用術といえるのです。

寝る前の読書は、記憶に残る

 スキマ時間以外に読書をするとすれば、お勧めの時間帯は「寝る前」です。なぜならば、寝る前に読書することで、「記憶」を最大化し、さらに睡眠にも入りやすくなるからです。

 寝る前に勉強すると、勉強したことが頭に残りやすいといわれます。寝ている間には新しいインプットがなされないので、「記憶の衝突」が起こらず、頭の中の整理が進むからです。

 受験生向けの記憶術について書かれた記事などを読むと、「難しい暗記ほど、寝る前が効果的」と書かれています。寝る前にした読書は昼間の読書に比べて、記憶に残りやすいといえるのです。

 さらにイギリスサセックス大学の研究によると、読書を始めてわずか6分で、被験者たちの心拍は落ち着き筋緊張もほぐれたといいます。音楽鑑賞やその他のリラックス法と比べても、読書で最も高いリラックス効果が得られると報告されています。

 睡眠前の読書は、心と体をリラックスさせて、睡眠に入りやすくしてくれるのです。

 ただし、電子書籍端末やタブレットなど発光する画面を見る読書法は、不眠の原因になります。それらは睡眠に入るまでの時間を遅らせ、睡眠の質を低下させること(レム睡眠の減少)が報告されています。

 また、ハラハラ、ドキドキするエキサイティングな娯楽小説や背筋が凍りつくホラー小説など、喜怒哀楽を過度に刺激する本は、やはり睡眠を妨げるのでお勧めできません。

 もう1つ、寝る前に考え事をすると、朝になると解決法がひらめく、ということがいわれています。

 睡眠には「頭の中を整理する」という役割があります。ですから、睡眠中に頭の中に乱雑に存在していた情報が整理されて、朝、目が覚めた瞬間に、問題解決法がぽんと浮かんでいるということがあるのです。

「次に目が覚めたときには、問題の解決方法を思いついている」と強く念じて眠りにつくと朝にひらめきが起きやすいそうです。これは「追想法」と呼ばれ、ノーベル物理学賞の湯川秀樹博士や発明王のトーマス・エジソンなども、この方法を活用していたといわれています。

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