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【老後資金2000万円問題の誤解】労働収入があれば慌てる必要はなし 年を取れば食費も医療費も少なくなる

老後に本当に必要なお金はいくらか(イメージ)

老後に本当に必要なお金はいくらか(イメージ)

 この「人生100年時代」において“先立つもの”をどう準備しておくかは、誰にとっても悩みの種。都内在住の会社員・Aさん(57才女性)も、頭を抱えている一人だ。

「“老後は2000万円必要”と合言葉のように言われるけれど、夫は来年定年退職しますし、いまから貯めるなんて、どう考えても無理。それにいまは健康だからいいけれど、年を取ったらきっと、医療費だってもっとかかるに決まってますよね?

 来年は娘の結婚式もあるので、その費用くらいは出してあげたい。でも、自分たちの老後資金が減ることを考えると……」

 Aさんのように「2000万円問題」におびえる人は多いが、そもそもそれが大きな勘違い。プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんが言う。

「2000万円問題のモデルケースは“夫婦で働いておらず、貯蓄がなく、年金しか収入がない世帯”を想定しています。金融庁の調査によれば、これに当てはまる貯蓄ゼロの無職世帯は60代の20.8%、70代の18.7%です。

 もちろん、何も対策を打たなければ資金不足に陥る可能性は誰にでもありますが、見方を変えれば“貯蓄や労働収入がある7~8割の人は慌てる必要はない”とも言えます」

 テレビや新聞といったメディアには、老後資金に関する情報があふれ返っているが、それらは玉石混淆だ。漠然とした不安に振り回されたり、間違った方法で損をしないために、いまから正しい知識を蓄えておきたい。

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