吉田みく「誰にだって言い分があります」

高級レストランや飛行機ビジネスクラスを「もったいない」「申し訳ない」と感じてしまう小市民的金銭感覚こそ潔い

料金の高さを「優越感代」と割り切るとビジネスクラスは…(時事通信フォト)

料金の高さを「優越感代」と割り切るとビジネスクラスは…(時事通信フォト)

海外旅行でビジネスクラスを使う?

中川:では例えば、家族旅行で東京からバンコクに行く時に、飛行機のビジネスクラスに乗るかどうかは?

吉田:今の吉田家の経済状況ではあり得ない話ですが(苦笑)、もしそのお金があったとしたら、たぶん私たちはエコノミーで2回行くことにすると思います。一度はビジネスに乗ってみたいな、という気持ちはあるのですが……。

中川:なるほど。そこが私が吉田さんと似ていると思うところで、たとえお金があっても、その贅沢に意義を見出せないというか……。

 バンコクまでの飛行機代でいうと、片道でビジネスはエコノミーの10倍くらいします。良いサービスや商品に高い値段が付くのは当然だけど、やっぱり高いな、と。だって「移動する」という最大の目的は10分の1のカネで達成できる。いくら早くチェックインできようが、最初に機内に入れようが、どうせエコノミーの乗客をまたなくてはいけない。「優越感代」としては高すぎる。1本10万円のワインを飲むより、1000円のワインを100本飲んだほうがいい、と思うようなところが、たぶん、吉田さんとオレの共通の金銭感覚だと思う。

吉田:本当にわかります。そんな高級なものやサービス、私には申し訳ないな、と思ってしまう。

中川:でも吉田さんの著書に出てくるのは、「お金があるならビジネスクラスに乗ればいいじゃない」「良さがわからないの?」とわざわざ言ってくるような人たち。でもこちらは、「そのお金があるなら2回行くよ」「その分のお金を使い、現地で美味しいもの食べるよ」という別の価値観を持っている。決して交わらないけど、どっちも正解なんです。

 オレが絶対に友達になりたくないセコい奴の話でも、彼の中の論理としては間違っていない。そこがよく描かれていると思いました。

吉田:ありがとうございます。

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