吉田みく「誰にだって言い分があります」

誰にだって言い分があるとはいえ「こんなにセコい小市民には会ったことがない!」 筋が通っているのは男か女か

「良かれ」と思ってしたことを悪意に受け取る人もいる?(イメージ)

「良かれ」と思ってしたことを悪意に受け取る人もいる?(イメージ)

 新刊『過剰反応な人たち』でコロナ禍を通じて社会の空気感に振り回される人々を鋭く批評したネットニュース編集者の中川淳一郎氏と、とかく“自分にとっての正義”を振りかざしがちな市井の人々のリアルな声を集めた『誰にだって言い分があります』を上梓したライター吉田みく氏。吉田氏の著書を読んだ中川氏は、男女間・世代間のアンチテーゼとして受け取ったという。【全3回の第3回。第1回から読む

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中川:吉田さんの本には、ガソリン代の節約に勤しむ人に対して「レギュラーならまだいいじゃない?」と言い放ったり、夫の弁当作りを始めた主婦に嫌味を言ったりするなど、相手に対してマウントを取ろうとする人が多く登場しますよね。なんで人はそんなことをするのだと分析されていますか?

吉田:そうですね。「私はもっと高くていいものを知っている」とか、「安くてもこんなにオシャレに見えるものある」などどっちもですが、要するに「なんだかんだ自慢したい気持ち」が表われた結果かと思います。私は現在30代ですが、上の世代から「あなたはたぶん知らないけど……」という枕詞からマウンティングを受けることがよくあります。

中川:そう考えると、吉田さんが取材の過程で色々な人に会って感じた違和感をこうして本に書くというのは、そうしたオッサンとかオバサンへのアンチテーゼとして出していると言えるかもしれませんね。

吉田:そうですね。だからぜひこれを読んでいただいて、我が身を振り返っていただければ、と(笑)。本では、相手が良かれと思ってしたことを悪意と受け取って怒る人の話なんかも取り上げていますが、なぜそんなに狭くて頑なな心に人はなってしまうのかと毎回考えさせられます。

 最近聞いた話では、夫に「いつもより30分早く起きて家事を手伝って欲しい」と頼んだ妻の発言に驚きました。そのご主人が気を遣って1時間前に起床したところ、奥さんは「1時間前だと邪魔」と言い放ったそうです……。

中川:それってひどい……。

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