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消費者を意図しない方向へ誘導するウェブサイトの“ダークパターン” 注意すべき実例「商品がこっそりカートに」「誤タップを誘う画像」など

 例えば、いくつかの動画配信サイトでは《解約阻止のダークパターン》が確認されています。故意に解約プロセスを複雑にする企業が増えているなか、Netflixは3クリックで解約できるわかりやすいサイト設計で、無理に引き止めず顧客の選択を尊重し長期的な信頼関係を大切にしました。現在、同社の市場シェアは4年連続首位です」

 そう話すのは、ダークパターンに関する著書のあるUXライターの仲野佑希さんだ。仲野さんによれば、数あるダークパターンの中でも定期購入のトラブルが特に目立っているという。

 海外の実例としては、アメリカで人気ゲーム『フォートナイト』が「プレーヤーを惑わすデザインで課金させた」という理由で、5億2000万ドル(710億円)の巨額制裁金を科せられた。またEUでは2022年から、消費者を操るサイト設計自体がデジタルサービス法で禁止されている。

「スマートフォンだと親指が右下にくるので、親指で押しやすい右下にOKボタンを、左下にキャンセルや戻るボタンを置くのがセオリーです。ところが、この習性を逆利用し、左右入れ替えるサイトがあります。なんとも不誠実です」(山本さん)

 では、ダークパターンの代表的なものを具体的に見ていこう。

身に覚えのないメルマガが届く【ひっかけ質問】

上の「メルマガ不要」を選択した後、(下も同じような内容だろう)と思い込み、内容をよく読まないまま下にもチェックを入れる人が少なくない

上の「メルマガ不要」を選択した後、(下も同じような内容だろう)と思い込み、内容をよく読まないまま下にもチェックを入れる人が少なくない(darkpatterns.jpより引用)

 別掲画像の下にチェックボックスが2つ並んでいる。上の「メルマガ不要」を選択した後、(下も同じような内容だろう)と思い込み、内容をよく読まないまま下にもチェックを入れる人が少なくない。ところが下は「メルマガ必要」のボックスで、上と真逆の意味を示している。無造作に押すと必要ないメルマガが送られてくる仕掛けになっているのだ。

「ネットユーザーはこうした説明書きを約20%の人しか読まないという統計があります。こうした弱点を突いた手口といえます。

 また、下の2例は『二重否定』や『紛らわしい表現』の実例ですが、よく読んでどちらにするか判断すべきです」(山本さん・以下同)

上の画像は「不要な方はチェックを外してください」。下の画像は「希望するメールにチェックを入れてください」

上の画像は「不要な方はチェックを外してください」。下の画像は「希望するメールにチェックを入れてください」(総務省サイト資料より引用)

 最初からチェックが入っていると、それを外さず、そのままにしてしまう人が多い。面倒と思っても説明書きを読んだ方がいい。

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