ネット通販サイトやアプリ利用時に、「期間限定セールのカウントダウンタイマーが表示されて焦った」「年間契約や無料トライアル終了したら勝手に更新された」といった経験をしたことはないだろうか? 実はこれ、無意識のうちに消費者を意図しない方向へ誘導する「ダークパターン」と呼ばれる悪意あるWEBデザインだ。ダークパターンの多くは違法ではないが、その手法は限りなくグレーゾーンにあるといえる。WEBマーケティング支援会社のオレコン代表で、日本国内のダークパターンを発信する編集サイト『ダークパターンJP』編集長の山本琢磨さんが、ダークパターンの具体的事例と手法を解説する。【前後編の後編。前編から読む】
購入最終画面で明示する【隠されたコスト】
購入最終段階で思いがけない手数料など予期しない費用が追加され、支払額を増やそうとする手口だ。画面の例では、花を4800円で買ったつもりが、諸々の追加費用で6800円も支払うことに。
「『こっそりカート入れ』(前編記事参照)と似ていますが、こちらの方が隠された費用を最後まで知らせず、より透明性に欠けています」(山本さん・以下同)
せっかくここまでやったからと支払いに従ってしまう人も多く、そうした心理を突いた狡猾な手法だ。
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