先述したJR東日本の「HYBARI」は、このような燃料電池と二次電池を搭載した電車です。燃料電池が発電した電気は、モーターを回し、車輪を駆動させるために使われます。
調達方法の選択肢が多い
水素は、さまざまな方法で製造することができ(下図)、化石燃料のように枯渇する心配がないとされています。
このため水素は、温暖化効果ガスを排出しないだけでなく、持続可能な社会の実現に欠かせないエネルギー源としても注目されています。
自動車の世界では、燃料電池や水素エンジンを搭載した自動車が早期に開発されてきました。となれば、鉄道の世界でも、水素を燃料とする鉄道車両が開発されるのは当然の流れだと言えるでしょう。
【プロフィール】
川辺謙一(かわべ・けんいち)/交通技術ライター。1970年生まれ。東北大学工学部卒、東北大学大学院工学研究科修了。化学メーカーの工場・研究所勤務をへて独立。技術系出身の経歴と、絵や図を描く技能を生かし、高度化した技術を一般向けにわかりやすく翻訳・解説。著書多数。