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【スシロー、大阪王将、バーミヤン】「ジョブチューン」で話題になった飲食3チェーン 最新決算と実際に足を運んで見えてきた各社の成長ストーリー

国内では苦戦するスシローだが、海外展開は絶好調(運営会社あきんどスシローの新居耕平社長。写真:時事通信フォト)

国内では苦戦するスシローだが、海外展開は絶好調(運営会社あきんどスシローの新居耕平社長。写真:時事通信フォト)

 有名飲食チェーンがテレビ番組で取り上げられることで、注目を集めるケースも多い。では、そこで話題となった飲食チェーンの決算内容や株価はどのようなものか。個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が、最新の業績や実際に店に訪れた印象などをもとに3つの大手飲食チェーンを解説する。

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 最近思わず見入ってしまったテレビ番組がある。毎週土曜20時放送のバラエティ番組『ジョブチューン』(TBS系列)だ。同番組では、飲食店チェーンの人気メニューを一流料理人が試食し、そのメニューに対して「合格」「不合格」をジャッジするというコーナーがある。

 株式投資の銘柄選定においては、実際にその企業や店舗に行くことが非常に有益な情報収集につながる。実地情報として得た情報は消費者心理を的確に反映するものが多く、今後の業績に対する重要な手掛かりにつながりやすい。同番組で取り上げられた企業にも、放送の後に実際に足を運んだが、投資判断するうえで有益な情報を多く得ることができた。

 今回は同番組でスポットが当たった場面や、最新決算情報、実際に足を運んで体験し感じた企業独自の工夫や伸びしろについて考察してみたい。

スシロー/FOOD&LIFE COMPANIES(3563)

「スシロー」ブランドで回転寿司チェーンのトップにいるFOOD&LIFE COMPANIES(3563)は11月10日に2023年9月期決算を発表し、次年度の見通しとして売上を対前年比で16%増と過去最高予想としたものの、純利益やEPS(1株当たり利益)においては対前年比で減益予想とした。

 決算の数字だけ見ると、好感できる決算内容とは言えない。国内のスシロー事業においては前年比で売上は5.6%減、利益は44.7%減という厳しい結果となっている。また、前年度は30億円以上の赤字だった京樽事業においては6億5000万円近くの赤字圧縮を実現したものの、依然として赤字であり、国内での苦戦が浮き彫りとなった決算だと言える。

 それを補ったのが、海外におけるスシロー事業の絶好調ぶりだ。中国、台湾、香港、タイ、シンガポールにおいて新規出店を実現するなど、前年比で売上72.7%増、利益は141.6%増という大幅成長を実現し、連結決算トータルでは面目を保った。

 そんな同社の「スシロー」が、10月28日放送の『ジョブチューン』に「従業員イチ押しメニュー VS 超一流寿司職人」のジャッジ企画で参戦し、審査エントリーした全11メニュー(前哨戦を含む。以下同)すべてにおいて、一流寿司職人から「合格」を勝ち取る快挙を成し遂げた。

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